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鉄血のアイン、2期のジュリエッタ、JGの佐久間中尉、とうらぶを愛する個人の趣味サイトです☆女性向けです!総受けです!・・・苦手な方はバック推奨。

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ワイルドカード1

みよさく漫画の続き小説。頑張る佐久間さん・・・。


【ワイルドカード1】

「・・・・・・ん・・・・・・ッ!」
窓から射し込む光で目が覚ました佐久間は、起き上がろうとしたが、猛烈な体の痛みでベッドの上に膝をついた。
「・・・無理はいけませんよ、佐久間さん」
部屋の片隅でそんな佐久間の様子を観察していた三好が、優しく声を掛けた。
言葉こそ気遣わしげだが、口元に笑みを浮かべているのが見て取れた。
(・・・そうだ・・・俺は今朝方コイツの卑怯な罠に掛かり・・・犯されたのだ)
噛みしめた唇の肉が破れ、鉄の味が口内に広がる。
「僕達はこれから訓練がありますが、佐久間さんは休んでいて構わないとの事でしたので、ゆっくり休んで下さい」
(・・・結城中佐には、何が起きたかなど、全て分かっているのだろうな)
その上で、何の咎めも無い・・・ここはそういう場所なのだ。
憎々しげに睨み付ける佐久間に、三好は笑みを深めた。
「・・・お前が言っていた“ジョーカー・ゲーム”とは何の事だ?」
「・・・・・・」
質問を投げかけた佐久間に、三好が少しばかり驚いた表情を浮かべる。
「・・・僕に教えを求めるなんて、佐久間さんて本当に面白いですね」
あんな目に遭ったのに・・・と言外に滲ませながら、三好は楽しそうに笑った。
「仕方ありませんね。まだ少し時間はありますし、お教えしますよ・・・」
「・・・頼む」
上から目線が少々腹立たしいが、今更だ・・・と、思い直した。

「・・・これは結城中佐の言葉ですが・・・“金、名誉、国家への忠誠心、或いは人の死さえも全ては虚構だ。
諸君の未来に待ち受けている真っ黒な孤独、その中で唯一諸君を支えてくれるのは、常に変化し続ける多様な状況の中で、
咄嗟に判断を下す能力だけだ”」
“ジョーカー・ゲーム”について、佐久間に詳細に説明した三好は、最後にそう締め括った。
「・・・・・・そんな風に生きて行けるのは・・・人でなしだけだ・・・」
率直な感想を無意識に口に出している佐久間に、三好はやれやれと肩を竦める。
「・・・それと、これはゲームに負けた分の請求書です。しっかり払って下さいね」
「何!?金まで取るのか・・・!?」
「当然です。では、僕はこれで」
予想通りの佐久間の反応に、(なんせ僕達は人でなしですから)クスクスと声を出して笑いながら、三好は部屋から出て行った。
独り残された部屋の中で、固く目を閉じた佐久間は両手で布団を握り締めた。
(・・・俺は・・・この程度の辱しめで屈したりするものか!)
今朝方の事も、先程の事も、これから起こり得る事にも負けてたまるか!と決心した佐久間は、
その為にまず優先すべきは体力回復だと、再びベッドに横になって眠りについた。


佐久間のそんな気概があったからか、ゴードン邸での一件は無事に解決する事ができた。
しかし、自分一人で解決できたわけではない事を佐久間は痛感している。
(・・・三好め、いったい何を考えているんだ・・・?)
ゴードン邸へ乗り込む前の晩、佐久間を呼び出した三好は助言を与えた。
そして今度は、結城の執務室から出てくる佐久間を待ち伏せて、暗に“料亭を調べろ”という助言まで・・・。
(・・・きっと、自分達がとっくに気付いている真実に、中々気付かない俺の事を面白がっているだけなのだろう。
・・・猫が捕らえた獲物を殺さず甚振るかの様に・・・)
釈然としない思いを抱きながら、三好に誘導され料亭“花菱”に向かう自分の足を速めた。

「・・・貴様、いつから連中の側に寝返った・・・?」
ゴードン邸の件から、花菱で預かった落し物の件までの流れを報告し終えた佐久間に向かって、武藤が忌々しげに吐き捨てる。
敬うべき上官の武藤を貶める様な行動を取っているというのに、仄暗い愉悦で佐久間は小さく口元を歪めた。
(・・・捨て駒の如きに思っていた俺に、手を噛まれた気分はどうですか武藤大佐?
・・・・・・ああ、そうか。軍人としての俺を貶めて三好が感じたのも、こんな気持ちだったんだな)
「失礼します!」
晴れやかな気持ちで、武藤の執務室から退室した。

参謀本部前の美しく咲き誇る桜並木を眺めながら、佐久間の思考が黒く染まる。
(・・・窮鼠猫を噛むという言葉だってあるんだ・・・先程の武藤大佐の様な、三好の顔が見られるなら俺は・・・)
黒い思考とは反対に、力強い意志のこもった佐久間の黒い瞳は、煌々と輝いた。

「貴様・・・うちで訓練を受ける気はないか?」
結城の義手を見抜いた佐久間に、まるで日常会話の延長にように結城は勧誘を掛けた。
しかし重みのあるその言葉に影を落とした佐久間は、きっぱりと断る。
足を止め空を見上げた佐久間の口元に浮かんだ笑みを、舞い落ちる桜の花びらが隠していた。


別に会っていたというわけではないが結城と別れた後、D機関への帰り道の途中で見つけた蕎麦屋で昼食を済ませ、
支払いを・・・という時に、佐久間は自分の犯した重大な失敗に気が付いた。
(金を持っていなかった・・・!)
財布は持っていたが、その中身は少々の小銭のみで蕎麦代には足りない。
・・・先日の“ジョーカー・ゲーム”の負けた分を支払い、有り金が底をついたのだ。
にこにこと笑いながら支払いを待つ店主と、空の財布を見比べた佐久間の背中を冷たい汗が流れる。
(・・・ここは正直に言うしかないな。後で持ってくる事を了承してもらえれば御の字だが、
もし対価として店内の手伝いをしろと言われればその通りにしよう。憲兵に引き渡すのだけは勘弁してもらいところだが・・・)
そんな思考を巡らせながら、佐久間は口を開いた。
「彼は僕の連れですので、一緒に支払いますよ」
涼やかな声でそう言って、店主に金を支払ったのは・・・三好だった。
(・・・一番知られたくない奴に、助けられるなんて・・・!)
これが他の機関員だったなら「助かった、済まないな」と佐久間はきちんと礼を述べていただろう。
「・・・その嫌そうに歪んだ顔、最高に素敵ですよ佐久間さん」
だが、相手は天敵である三好なのだ。
「お金を持っていないはずの佐久間さんが、この店に入るところが見えたんで、面白そうだと思って僕も入って様子を窺ってたんですよ」
(気付いてたんなら止めろ!貴様は俺の懐事情まで把握しているのか!?)
と言いたいところだが、わざと止めなかったのは明白だ。それどころか、佐久間が困っているのを暫く黙って見ていたのだ。
「憲兵に引き渡されるなんて事にならなくて良かったですね・・・僕に感謝してくれて構いませんよ」
「・・・ぐっ!」
佐久間の心情を読んで、きっちりとどめを刺す三好が大嫌いだ!自分の情けなさも相まって、佐久間は涙目で三好を睨み付けた。
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