Monochrome

鉄血のアイン、2期のジュリエッタ、JGの佐久間中尉、とうらぶを愛する個人の趣味サイトです☆女性向けです!総受けです!・・・苦手な方はバック推奨。

Entries

【陰陽師と猫と海の話~下~】

◎ジョカゲカフェで原作の話を聞いた時に、アニメの三好回は1、2話のみだと思うと言われ、華々しくラストを飾ると思ってた自分はショックだったのですが、考えてみると、
1、2話の為の三好=佐久間さん回の為に存在した三好=みよさく!
という結論に至ったので、もうアニメで更に三好回が有っても無くても、美味しいですねvvv
勿論、アニメオリジナルストーリーで佐久間さん、三好が出れば最高ですが!
Dの魔王を読破されてる方がいなかったので、ネットコミックを買おうか検討中。


【陰陽師と猫と海の話~下~】

馬を走らせること数日、開けた視界に一面の青。

海の青と、空の青の美しい景色が、佐久間の目に映り、黒い瞳が青色に染まる。
潮の香りに、小さな鼻をヒクつかせた波多野は、佐久間の肩から浜へと身軽に飛び下りた。
「やっと着いた~」
体を解すように、大きく伸びをする。
波多野を横目に見ながら、佐久間は岸に生えた木に馬の手綱を結び付けると、着ていた服を脱いだ。
「ちょっ、いきなり何してるんだよ?」
下穿き姿で、体を解す動作を始めた佐久間に、波多野が驚きの声を上げる。
「手っ取り早く、潜って捜してみようかと思ってな」
「いや、先に情報集めが先だって!」
「・・・むぅ、ちょっと泳ぎたい」
ぷくっと頬を膨らませる佐久間は、年相応よりも幼く見えた。

「そこで何をしているんです!?ここで溺れる人が多いのを知らないんですか、危ないので止めて下さい!!」
佐久間と波多野が軽く押し問答をしているところに、黒髪の童顔な青年が現われ、佐久間を一喝した。
「・・・すまない」
青年の剣幕に押され、佐久間が自分の行動が軽率で、彼を心配させてしまったのだと反省する。
「あ・・・いえ、僕の方こそ、突然怒鳴ったりしてすみませんでした」
佐久間の態度に、青年が表情を和らげた。
「にゃーにゃ(・・・あーあ)」
波多野は佐久間の肩に飛び乗ると、パシパシと尻尾で軽く佐久間の頬を叩く。
「・・・その猫・・・いえ、こんなところで立ち話もなんですので、良ければ僕のうちへ来ませんか?僕は実井といいます」
実井と名乗った青年は、優しげな笑みを浮かべた。

「それで、君はなぜ泳ごうとしたんですか?その様子だと、危険だと知っていたようですが・・・」
実井が穏やかに問い掛ける。
(・・・迷惑を掛けてしまったし、ここは正直に話して協力を求めた方がいいな・・・信じてもらえるか、分からんが・・・)
「俺は佐久間という。海での件を調べる為に、都から遣わされた陰陽師だ」
佐久間は懐から、陰陽師の身分を示す札を取り出して、実井に手渡した。
じっと、札と佐久間を見比べる実井。
「・・・そうでしたか。では妖を滅しにきたのですね?」
「(・・・あまり驚かないんだな)必要ならばそうするが、まずは調べてからだな。
実井、何か知っている事があれば教えてくれないか?」
「僕が溺れたわけではないので、そんなに詳しくありませんが・・・ここから少し南に行けば、漁村があります。
そこでなら、詳しい話が聞けかもしれませんよ」
「・・・そうか、ありがとう実井。早速行ってみるよ!」
「もう行くのですか?」
言いながら立ち上がった佐久間に、実井が大きな瞳を丸くする。
「・・・待たせてる者がいるからな・・・(それに、実井も本当は俺達がいるのは好ましくないだろう?)」
「そうですか。では、お気を付けて・・・」

「・・・ねぇ佐久間さん、あの実井って・・・」
自分達を見送っていた実井の姿が見えなくなったのを確認して、波多野が佐久間に話し掛ける。
「ああ。だが、人に害した訳ではないからな・・・(それどころか、おそらく実井は・・・)」
「ちぇっ、美味そうな匂いがしたのにな~・・・あっ、今のは冗談だって!」
ムッと眉を顰めた佐久間に、波多野は慌てて取り繕った。


実井に教えられた漁村に辿り着いた佐久間は、一軒一軒話を聞いて回る。

逢魔時、夜闇の時までもう少し。
「・・・舟で沖に出たところ、美しい歌声が聞こえてきて、その直後に大きな黒い影に舟ごと海に沈められた・・・というのがほとんどだな。
ただ一人、歌声の正体を確かめようと追い掛けた者だけ、そのまま村に戻っていたという事だったが」
「・・・で、沖に出る為に舟を借りたのは分かるけどさ。黒い影に“大きな”って付いてたのが、不穏な気配を感じるんだけど・・・
本当に、こんな小さな舟で行くつもりなの?」
聞いた話を纏めて、船着き場にやってきた佐久間に、波多野がうろんげな目で問い掛ける。
「無い物ねだりをしても仕方ないだろう?」
「はぁー・・・分かってたけど。仕方ないな、俺が漕ぐから制限を解いてよ」
佐久間は、顔に体を擦り付ける波多野に口付けると、(解ッ!!)心中で唱え、自分の気を波多野へ送った。

「この辺でいい?」
陸からかなり離れた海の上。船着き場など、とうに見えなくなった。
「まだ歌が聞こえてこないから、この周囲を回ってほしい」
「了解。でもさ、アイツ俺達って知ってるから出てこないんじゃないの?」
息一つ切らず平然と櫂を動かしながら、波多野が問い掛ける。
「・・・そうかもしれないが・・・」
広い海上を闇雲に捜すよりは、今はそれを頼りにする他はない。

「・・・・・・!」
微かな音を拾った波多野の尖った耳がピクリと動く。
「・・・確かに、美しい歌声だな」
佐久間の耳にも届き、(律儀な奴だ)と佐久間は笑みを浮かべた。
「波多野、歌声とは逆の方に漕いでくれ」
「勿論!」

ザパァァァァァァァンンン・・・!!!

すぐにそれは現れた。
ヌッと海の底から姿を見せたのは、大きな黒い影・・・大岩のようにも見えるが、黄金の双眸がギラギラと妖しく光る。
「海坊主か・・・!!」
その巨体の動きで荒れた波によって、舟が大きく揺れる。これに当たれば、舟など一溜まりもないだろう。
「・・・思ってたより大きいな!」
海面に出ている部分だけでも、今の自分の5倍は軽く超えるな・・・と、波多野が海坊主を見上げる。
「まぁ、大きい相手の方が燃えるんだけどッ!」
波多野は鋭い爪を伸ばすと、海坊主の巨体へと跳躍した。

「うわっ!?なんだこれ・・・滑って俺の爪が通らない・・・!!?」
バシャァァァンッ!!
海坊主の体は粘液で覆われていて、速度を利用して切り付けようとした波多野の攻撃は表面を滑り、海坊主の頭上に着地を定めていた足もまた滑り、波多野はそのまま派手に海に落ちた。
「大丈夫か波多野!?」
「ぷはっ!・・・このくらい平気平気!」
すぐに海面に顔を出した波多野に、佐久間が安堵の息を吐く。

「・・・お前の力を貸してくれ」
佐久間が懐から取り出した短刀にそう囁くと、青白い光を放ちながら、その刀身が佐久間の背丈を超える大太刀へと変化した。
増した重量で舟底が少し沈む。
(この方が安定していて、ちょうどいい)
刀の重量に負けない様、腰を深く沈めて両手でしっかりと構える。
「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前!!」
佐久間が大声で真言を唱えると、刀身が眩い光を放つ。
それを海坊主に向けて、佐久間は渾身の力で真横に薙ぎ払った。

グォォォォォォォォォォォォォ!!!!!

断末魔を上げながら、のたうつ海坊主の巨体で、大きく波がうねる。
大きな触手の一本が舟に激突し、それを粉砕する。
“身に余る”力を使った佐久間の体が、夜闇に黒く染まった海へと投げ出された。

(ダメだ・・・アイツを助けないと・・・!)
鉛のように重い腕を必死に動かし、伸ばした手で“妖だったもの”を掴んだ佐久間。
それを抱えたまま、海面に向けて手を動かすが、荒れた波に阻まれ中々海面に出る事ができない。

(・・・くっ・・・息が・・・!

・・・・・・・・・三好・・・俺は約束を・・・・・・)


暗い海底へと沈みかけた佐久間の体を逞しい腕が支えて、海面へと救い出した。

(・・・・・・三好・・・・・・?)

「はぁはぁはぁはぁ・・・っ!」
求めていた酸素に、荒い呼吸を繰り返す佐久間。
「大丈夫、佐久間さん?」
「・・・・・・波多野?」
「そうだよ・・・って、そんな明らかに落胆されると傷付くんだけど!(誰を想像したのかなんて丸わかりだしさ)」
「・・・すまん、助かったよ・・・酸欠で少しぼんやりしていたみたいだ・・・」
「・・・もういいから、ほら俺の肩に手を回して・・・って言ってるそばから」
腕に全く力が入らず、佐久間の体が背後に沈みそうになる。

「・・・・・見ていられませんね」
「・・・実井・・・?」
再び沈みかけた佐久間の体を、海中から現われた実井が支えた。
その指の間には薄い透明の水かきがあり、脚は魚の尾になっていた。腰から下は魚の鱗に覆われている。
「・・・やはり、人魚だったんだな」
「そんな事より、自分の命も危ういのに、なぜ“そんなもの”を大事に抱えているんですか?」
「コイツが悪い訳ではなかったからな、助けてやりたいと思っただけさ」
「・・・呆れたお人好しですね」
「俺は、お前ほどじゃないと思うが・・・」
「何の事でしょう?」
「溺れた人達を、こうやって助けてたんだろう?・・・人魚といえば“不老不死”の妙薬として、狙われる危険性もあるのに・・・実井は、優しいんだな」
「・・・・・・!」
佐久間の言葉と笑顔に、実井の白い頬が朱色に染まる。
(・・・こんな人間もいるのですね)

実井の助けもあり、無事に浜まで辿り付いた二人は、実井の申し出により、その晩は実井のうちに厄介になった。
ふらふらの体を波多野に支えられながらも、大事に連れ帰った“妖だったもの”の正体である大蛸に気を送ろうと手を伸ばす佐久間。
「そんな体で無茶しないで、ここは僕に任せて下さい」
実井は佐久間の手を優しく押し戻すと、おもむろに自分の指先を噛み切った。
ぷくりと盛り上がった血の玉を、実井が大凧へと垂らすと、ぐったりしていた体が元気を取り戻しうねうねと動きだした。
「僕(人魚)の血は回復薬になるんですよ」
「・・・すまない。しかし、お前の指が・・・」
「大丈夫です。僕自身の治癒力も高いので・・・ほら、綺麗でしょう?」
先程、噛み切った指を実井が見せる。傷はどこにも見当たらない。
「佐久間さんも飲みますか?」
「いや、俺はいい。一晩休ませてもらったら、体力も回復するからな。泊めてもらって感謝している・・・」
それだけ伝えると佐久間の目蓋が閉じられ、すぐに微かな寝息が聞こえてきた。
「ふふ・・・寝顔は幼いですね」
「・・・おい」
佐久間の頬に触れようと伸ばした実井の手が、波多野の尻尾に弾かれた。
「佐久間さんは超が付くお人好しだけど、俺はまだお前を認めていないからな」
「そうですか・・・大した役に立たなかったくせに、態度が大きいんですね」
にっこりと笑いながら、毒を吐く実井。
「くっ・・・」
今回の戦闘に関しては正にその通りだったので、図星を突かれた波多野が歯噛みする。
二人の間に火花が散るが、すやすやと眠る佐久間を起こすのは可哀想なので、フンッとお互いに顔を背けると、寝る事にした。


「おはよう実井!」
「おはようございます佐久間さん。もう体は大丈夫ですか?」
「お陰様で、すっかり良くなったよ、ありがとう!実井には色々と助けてもらって本当に感謝している。
それと・・・昨日伝え忘れていたんだが、お前の歌は凄く綺麗だったぞ。
あの歌で安全な方へと、誘導しようとしていたんだろう?お前はやっぱり優しいな!」
満面の笑顔を実井に向ける佐久間。
「~~!!(可愛すぎますよ佐久間さん!)」
実井が耳まで赤く染まるのを、背後から見ていた波多野は気が付いた。
(あーあ・・・これは完全に落ちたな。天然妖怪ホイホイ佐久間さん恐るべし!)

「今日はこれからどうするんですか?」
「そうだな、まずは大蛸を海に帰してやって、妖になってしまった原因を取り除く。
この辺りの海には“負の気”が溜りやすくなっていたから、それを祓って気の流れを作るんだ。
その後は舟を貸してくれた村の人に謝りに行って・・・すぐに都に帰るよ・・・(早く皆に・・・三好に会いたい・・・)」
「・・・そうですか。僕も付いて行ってもいいですか?(・・・なるほど、都には想い人がいるんですね・・・でも、僕に振り向かせればいいだけですし、問題有りませんね)」
じっと佐久間の表情を窺っていた実井が、穏やかに微笑みながら、問い掛けた。
「それは別に構わないが・・・」
「ありがとうございます」


滞りなく予定を終わらせた佐久間は、同行していた実井に向き直った、別れの挨拶を伝える為に。
「実井には本当に世話になった、感謝しても足りないな」
「いえ、僕の方こそ佐久間さんのような人間には初めて会いましたので、楽しかったです・・・だから僕も連れて行って下さい」
「・・・え・・・っ!?」
実井に口付けられ、気を送られる。
突然の事に戸惑いながらも、結城の許可も得ていないと、佐久間は拒否しようとするが、実井は逃さない。
もがく佐久間を腕の中にしっかりと包み込んで、強引に唇を開かせると奥へと舌を差し込んだ。
初めての感覚にただ翻弄される佐久間。
佐久間の思考が息苦しさと、快感でぼんやりと霞むのを見計って、再び実井は自分の気を佐久間へと流し込んだ。
まともな判断能力を失った佐久間が、自らの気を実井に送り返す・・・実井の狙い通りに。

波多野は助けるでもなく、やっぱりな・・・とその光景を傍観していた。

「ご馳走様でした」
涙目で自分を見上げる佐久間に、実井は極上の笑みを浮かべた。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

黒夜シロ

Author:黒夜シロ
アニメ・ゲーム・マンガ・ワンコ
(ネコ・ウサギ・ハムスターもLOVEv)が大好きな管理人です^^
“BL大好物”な腐女子ですが、よろしくお願いします♪

FC2カウンター

最近の記事

月別アーカイブ

右サイドメニュー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム