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鉄血のアイン、2期のジュリエッタ、JGの佐久間中尉、とうらぶを愛する個人の趣味サイトです☆女性向けです!総受けです!・・・苦手な方はバック推奨。

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【陰陽師と執念深い狐の話】 小話7終~陰陽師と仲間の話~

妖怪パロ、小話7です。妖怪パロラスト。


【陰陽師と仲間の話】

うららかな春の昼下がり。
書き物をしていた佐久間の隣で、昼寝から目覚めた波多野は大きく伸びをした。
再び眠る気にはならず辺りを見渡すと、逆隣で三好が体を丸めていて、寝ているのか定かではないが田崎は佐久間の左肩の上で目を閉じている。
甘利と神永は、時折佐久間が筆に墨を足す硯に凭れて寝ているようだ。
実井は金魚鉢の中をゆらゆらと漂い、福本は平素通り調理場でこの部屋にはいないが、飾られている小田切はいつも通り寡黙。

・・・のどかである。しかし、退屈でもある。
良い退屈しのぎはないものかと思考を巡らせた波多野は、ピンと閃き口を開いた。
「ねぇ佐久間さん。佐久間さんは、この中で一番強いのって誰だと思う?・・・やっぱ俺?」
「なに・・・?」
「波多野、寝言は寝て言って下さい。そんなの僕に決まっているでしょう!」
佐久間の声と重なるように言った三好が、起き上がると勝ち誇った顔をして波多野を見下した。
「おや・・・二人とも井の中の蛙とは、不憫な事だな」
田崎がフッと二人の事を鼻で笑う。
「面白そうな話をしているな。俺も以前と違い力を付けたから、良い勝負ができると思うが?」
甘利も話に加わる。以前とは、八年前に波多野に大敗した事を指している。
「そうだな。無為に過ごしてただ歳を取ってるだけの奴らには、もう負けないさ」
神永も挑発的に笑う。
「大した自信ですね。まぁ、一番は僕に決まっていますが」
口調は穏やかだが、棘のある言葉を投げる実井。
「・・・・・・」
小田切は沈黙したままだが、刀身がうっすらと輝いている。
「全員で戦ってみればいいんじゃないのか?」
佐久間へと茶と菓子を運んできた福本が、そんな提案を出した。福本だけは、お福の手伝いの為、普段から人型になっている。
それが良いと、八人が目を光らせる。
「なにを言っている?そんな事、師匠に“馬鹿か貴様”って言われるに決まって・・・」
乗り気になって互いに殺意を飛ばす八人を見て、佐久間が慌てて止めようとする。
「・・・面白い。やってみろ」
「師匠!?」
いつの間にか佐久間の背後に立っていた結城が、あっさりと許可を出した。


「一度、田崎とは白黒はっきりさせたいと思っていたんですよ。だから一番に潰します」
美しい九つの尻尾を妖しく揺らめかせながら、赤い唇を吊り上げる三好。
「それは、俺も同感だな」
漆黒の翼を大きく広げて、爽やかに笑い返す田崎。

「料理を作ってる姿しか見た事がないんだが、福本は戦えるのか?」
大きな金棒を軽々と担ぎながら、福本を見据える甘利。
「そりゃあ無用な心配ですって。今日は皆さんを料理してあげますよォ!」
右手に握っていた包丁を上空へ投げたかと思うと一瞬で巨大な鬼斬包丁へと変化させ、まるで別人のように笑い出す福本。

「そういや、小田切が自分で戦ってる姿も見た事が無かったな・・・」
甘利よりやや小さいが焔を宿して赤く燃える金棒を二本、片手に一本ずつ構える神永。
「・・・いつもは佐久間さんと共にあるからな」
頭上に太刀を掲げ、落とした雷を纏い青く輝く刀の切っ先を、神永へと向ける小田切。

「実井のその美味そうな体を味わってみたいと、前々から狙ってたんだよ!」
爪を伸ばし、舌なめずりする波多野。発言があれだが、魚を狙う猫的な言葉で、深い意味はない。
「そうですか。僕も前々からその生意気な鼻をへし折りたいと思っていたので、遊んであげますよ」
水の玉を無数に浮かべ、にこやかに返す実井。

「・・・程々にしてくれ・・・」
即行で元の姿に戻り本気で遣り合う気満々の眷属たちを見つめて、やや疲れた表情を浮かべながら、厳重に結界を張り巡らせる佐久間。

「おやおや、楽しそうな見世物だね」
「晴明様!?白虎も」
獣姿の白虎に腰掛けて現れた安倍晴明が、朗らかに笑う。
「お騒がせして申し訳ございません」
「興味深くて見に来たんだから、気にしなくていいよ~腕の競い合いなら、うちの十二神将たちもたまにやってるし」
「それは・・・!」
かなり気になると、佐久間が瞳を輝かせる。
「ふふっ、ほとんど勝つのは白虎だけどね」
「やはり、白虎は凄いんだな!」
「・・・大したことではない」
佐久間から輝く瞳で見つめられた白虎は、照れ隠しにぶっきら棒に答えた。
そんな白虎の分かり易過ぎる態度に、晴明が笑みを深める。
「さっき彼らの会話を聞いたんだけど、勝者には“さっくん一日独占権”が与えられるみたいだよ。白虎も参加すれば~?」
にやにやと笑いながら、白虎を焚き付ける晴明。
「・・・・・・仕方ない。十二神将の代表として、腕試しをしてやる」
白虎の体が白い光に包まれ、一瞬で人型へと変化する。
白銀の髪と尻尾をなびかせながら、端整な顔立ちの青年になった白虎は、戦いを開始した八人の中に身を投じた。
「これは、乱戦だね!」
晴明は、うきうきと声を弾ませる。

「・・・また、晴明が佐久間さんにちょっかいを出していますね。早く終わらせて、引き離さなければ」
「俺も同意見だ。早く終わらせないとな」
晴明の姿を見咎めた三好と田崎が言い合いながら、必殺の一撃を相手に繰り出した。

そんな様子を心配げに見つめる佐久間の横顔を見ながら、晴明はしみじみと思う。
(僕の“義弟”は、みんなに愛されていて嬉しいよ)
「・・・さっくんは、誰に勝ってほしいんだい?」
「えっ?・・・いえ、俺は特にそんな・・・」
珍しく歯切れの悪い佐久間。頬が少し赤みを帯びている。
意地悪な質問をした晴明だが、佐久間の視線が誰に向けられているのかは、とうに気付いていた。
勿論、それは・・・・・・。
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