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鉄血のアイン、2期のジュリエッタ、JGの佐久間中尉、とうらぶを愛する個人の趣味サイトです☆女性向けです!総受けです!・・・苦手な方はバック推奨。

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おださく(現パロ)

最終回前に書いた小田切救済、現パロおださく。(※キャラ崩壊注意)


【犬と絵本とカワイイ貴方と俺】

「・・・・・・もうこんな時間か」
カタカタと規則的に動かしていた指を止め、時計を確認した小田切が呟いた。
「一息がてら、散歩に行くか」
小田切の足元に寝そべっていた黒い毛並みの犬が、“散歩”という言葉に反応して大きな体を起こす。
その様子に、小さく笑みを浮かべながら、小田切は書き終えた文章を保存すると、パソコンの電源を落とした。

近所の緑地公園を、愛犬のヨルを連れて歩いていた小田切だが、“拾って下さい”と書かれたダンボール箱を見つけて、思わず足を止めた。
きゅーんきゅーん・・・と、微かな鳴き声のする箱の中を覘き込むと、小さな子犬が一匹おり、黒いつぶらな瞳で小田切を見つめてきた。
(・・・そんな目で、俺を見るな)
縋る様な瞳の引力に、思わず伸ばしかけた手をぐっと握りしめる。
太いまろ眉が特徴的な愛らしい黒柴の子犬。こんなコを捨てるなんてと腹立たしく思いながら、頭を振って冷静さを取り戻す。
自分の家には、すでにヨルがいるし、犬の寿命は長い場合で20歳を超える事もある。
最後まで面倒をみる責任を持てないなら、拾うべきではない。
尊い命なのだ。可愛いや可哀想といった一時の感情で拾ってしまった方が、より残酷な結果を生む事もある。
「俺よりも、もっと相応しい飼い主が現われるさ・・・」
子犬と、自分に言い聞かせるように呟いた小田切は、後ろ髪を引かれつつも、足早にその場から離れた。

「・・・・・・」
カラスに襲われたらどうする?保健所に通報されて、殺処分されるかもしれない。心無い人間から虐待を受ける事だって・・・
そんな悪い思考ばかり巡り、結局、小田切は子犬がいた場所へと忙しなく足を動かす。
一旦、自分が保護して信頼できる引き取り手を探せばいい。もし見つからなければ、自分の家で飼おうと思い直した。

子犬まであと数メートルのところで、先客に気付いた小田切は、木々の間にそっと身を隠した。
「独りでこんなところにいては寂しかっただろう?もう大丈夫だぞ」
よしよしと、抱き上げた子犬をあやしながら、優しく微笑む青年。子犬の小さな尻尾が嬉しそうに左右に揺れている。
「・・・・・・っ!」
青年の慈愛に満ちた表情に、白黒の世界が鮮やかに色付くような衝撃を受けた小田切の、胸の鼓動が高鳴った。

大事そうに子犬を両手で抱いた青年を、小田切が尾行する。
これは、子犬の安否を確認する為だ。断じてストーカー行為などではない。
(拾った犬を虐待死させたり、再び捨てるという事もあるからな)
公園から少しだけ歩いた場所にある一戸建て住宅に、青年が入っていった。
(佐久間さんか・・・)
表札の名前を抜かりなくチェックする。戸建てならば、ペット不可という理由で、犬を手放すという問題は起きないだろう。
中の様子も気になるが、カーテンが閉まっているので知る事はできない。
自分の家からも、それほど離れているわけではないので、散歩をしていれば会う事もあるだろう。
(・・・今日のところは帰ろう)
隣に座っていたヨルの頭を一撫でし、電柱の陰から立ち上がった小田切。

ガチャン!
「・・・・・・?」
音に振り向くと、家から飛び出した佐久間が乱雑に門扉を閉めると、慌てた様子で駆けて行った。
一瞬何事かと思ったが、佐久間の向かった先には心当たりがあった。
小田切もよく利用している、ホームセンターがある方向だ。
おそらく佐久間は、子犬の為にペット用品を買いに行ったのだろう。
(それなら・・・)
唇の端を上げると、ヨルを連れたまま、小田切も大股で歩き出した。

「うぅむ・・・色々あるのだな・・・」
品揃えが豊富なのはいいのだが、どれを選ぶべきかと、今まで犬を飼った経験の無い佐久間は、真剣に悩んだ。
家を出る前にネットで少し調べてきたのだが、考えてみると拾った子犬が生後何か月なのかも、よくわからない。
(先に獣医に診てもらった方がよかったか?・・・しかし、腹を空かせているのだろうし・・・)
家にあった牛乳を飲ませようかと思ったが、調べてみると“犬猫専用のミルク”でないと、腹痛を起こす場合があると書かれていた。
そして、慌ててここまで買いにきたのだが・・・。
「・・・何か、お困りですか?」
丁寧な声掛けに、店員かと思い振り向いた佐久間だが、そこにいたのは黒いシェパードを連れた、自分と同い年ぐらいの青年だった。
ちなみに、ここはペット用品専門の別館になっている為、ペットの同伴は可である。
「お・・・おっきいワンワン・・・あの、触らせてもらってもいいか?」
ヨルを見て、瞳をとろけさせた佐久間が、小田切に問い掛けた。
「どうぞ、構いませんよ」
佐久間の様子に、くすっと笑った小田切が頷く。
珍しい事に、ヨルの尻尾が左右に大きく振られている。
飼い主である自分に似て、自分以外の相手にはそっけない態度を取るヨルが、もっと撫でて言わんばかりに、頭を佐久間の手に押し付けた。
「ふわふわしてて、気持ちいいな」
幸せに酔った佐久間が、ヨルの体を抱きしめた。抱きしめられるヨルも満更ではないといった感じで、嬉しそうな表情を浮かべている。
「・・・・・・っ!!」
羨ましい・・・と、小田切が唇を噛みしめた。まさか、自分の犬に嫉妬する日がくるとは思わなかった。

「はっ、つい夢中になってしまった・・・!」
もふもふを堪能し、我に返った佐久間が頬を赤く染めた。
「すまなかったな・・・その、名前を聞いてもいいか?」
照れ臭そうにはにかむ佐久間に、内心で可愛いすぎて堪らない!と思いつつも、小田切は悟られないようにポーカーフェイスを装った。
「小田切です」
「・・・あ、このコの名を教えてもらいたかったのだが・・・」
ヨルの頭を撫でながら、佐久間が苦笑いを浮かべる。
「恥ずかしい勘違いを・・・この犬は、ヨルという名前です」
「いや、こちらこそ、ややこしい尋ね方をしてしまった・・・ヨルか、良い名だな。礼儀として俺も名乗ろう、佐久間だ」
「ご丁寧にどうも」
礼儀正しい佐久間に、すでにかなり高い位置まで上がっている好感度が、更に上がった。
「ヨルの毛並みの良さから、凄く大切にされているのがわかる。もしよければなんだが、小田切さん・・・俺に子犬の飼い方を教えてくれないか?」
「小田切で構いませんよ。それ位、お安い御用です」
実のところ、どうやって佐久間からその言葉を引き出そうかと考えていた小田切は、素直な佐久間に、笑みを浮かべた。

「家まで付き合わせて申し訳ないが、小田切のお陰で助かった。着いたら茶でも飲んでいってくれ」
小田切に教えられた子犬の為の必要な道具を買い揃えると、かなりの大荷物になった。
自宅への道のりを小田切と並んで歩きながら、荷物を運ぶのも手伝ってもらった事に、感謝する佐久間。
だが、全て小田切の思惑通りである。後で買い足せばいい物まで一気に買わせ、大荷物にしたのは、こうして佐久間の家に上がり込む機会を得る為だ。
そして、それは当初の子犬の為という目的とは、色合いが変わっていた。
子犬の事も気になるが、それよりも佐久間の事をもっと知りたいと思ったのだ。

「ただいま、クロ」
佐久間が玄関の扉を開けると、クロと名付けられた子犬が尻尾を振って出迎えた。
「このコが、今日公園で出会ったコなんだ」
佐久間がクロを抱き上げると、クロがペロペロと佐久間の頬を舐める。
「可愛いだろ?」
微笑みながら、告げられた佐久間の言葉に、「ええ、とても・・・(貴方が)」と小田切は返しながら、眩しそうに目を細めた。

「よかった、美味そうに飲んでいるな」
子犬の大きさに合わせた受け皿に、ペット用のヤギミルクを注ぐと、クロがぴちゃぴちゃと舐めた。
飲み終えたクロの、ミルクで汚れた口周りを優しく拭う。
「次は、2時間ほど空けて、ぬるま湯でふやかしたドライフードをあげればいいんだったな?」
小田切に問い掛けたが返答を得られず、佐久間が振り向くと、小田切は出窓の方をじっと見ていた。
正確には、そこに並んで飾られていた“物”をだ。
「・・・それはっ!」
気付いた佐久間が顔を真っ赤に染めるが、今更隠しようがないのは明白だ。
およそ成人男性には似合わないであろうファンシーなヌイグルミ達。クマ、イヌ、ネコ、ウサギ・・・他にもたくさんあるが、割愛しよう。
「それはその・・・俺は、絵本作家をしていてな。このヌイグルミ達は絵本に登場するコや、ファンの方から届いたコなんだ。
まぁ、可愛いものは元々好きだが・・・」
小田切から責められたわけでもないのに、しどろもどろに説明する佐久間。
「・・・やはり、おかしいと思うか・・・?」
消え入りそうな声で言いながら、小田切の表情を窺う。
「いいえ、おかしいとは思いませんよ。(寧ろ、可愛いと思います)それに、ファンからのプレゼントを大事にするなんて、佐久間さんは優しいですね」
クマのヌイグルミに手を伸ばした小田切は、どこか佐久間に似ていると思いながら、頭を撫でた。
「実は俺も作家なんですよ。俺の場合は、推理小説を書いています。ペンネームではなく、本名のままで・・・」
「・・・え?」
小田切の言葉に、佐久間が驚き、目を見開いた。
「本名って事は・・・推理小説家の小田切先生?“料理人 福本の名推理シリーズ”で有名な・・・?」
「有名かは知りませんが、俺が書いたものですね」
「あのシリーズが特に好きだが、他の本も全て読んでいるし、斬新な謎解きが面白くて大好きなんだ!」
「ありがとうございます」
一ファンとして瞳を輝かせて、興奮ぎみに伝える佐久間に、小田切が嬉しそうに微笑んだ。
(いずれ、本だけでなく、俺の事も好きだと言ってもらえるようになりますよ・・・!)

盛り上がる佐久間と小田切の足元に寝そべったヨルは、満腹で眠るクロの体を自らの体で包み込んだ。
普段、無口で無表情な主人の珍しい姿を嬉しく思いながら、邪魔をしないように、そっと目を閉じた。
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